080505 道場破りshowing 第2期/後半戦

道場破りとは、魅力的と感じるダンサーの手法に接近し、その道に深く触れる事で己の道を破る試みである。今回は出演者全員が誰かの手法に接近を試みる。手法とは、学んできたダンスのノウハウの事ではなく「自分にとってのダンスとは何か」という根本的な問いにより、独自に編み出された、マネの出来ない手法であり、常に試行錯誤の途上で様々に揺れ続け、揺らぎの中に見え隠れする一つの可能性でもある。何者も近寄れない前人未踏の領域、そこに接近しようと試みる過程そのものが、たくさんの秘密と謎を湛えた宝の山である。徒労に満ちた謎解きの旅にお付き合いください。

5月5日(月・祝)/5月6日(火・休) 
篠原の里 (JR中央本線藤野駅よりバスを乗り継ぎ約30分)
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出演者と手塚夏子の解釈による手法

ここに示す手法の説明は手塚によって解釈している部分も多く、それは真実と言うよりも、ある視点からの解釈と言える。

黒沢 美香|基本的に目指す境地は、忘却している快楽。ふっくらしてる喜び。それとは別に、体はSM的な欲求があるのか?体の状態…腰に吸盤があって床を吸い上げているような重さを感じる。準備ものとそうでないものがある。準備ものの場合、(1)「言葉」を使って地図を書く(イメージが強く浮かぶ)呪術性があって、体の中に入ってくるようにする。机の上でそのイメージを持つ強さが大切。(2) 地図には具体的な動きの指示も入れる(外側からの視点を持つ)動作、行為をやるときは、忘れた瞬間にやる。(3) 前述の(1)と(2)で自分の体を挟む。体の中である「ねじれ」が生まれる。作品を組み立てていくどの段階でか、劇場を見て、自分がどのように動くか想像する。

捩子 ぴじん|自分の体から、或いはたまたま見かけた人やモノから、動きを採集する。採集した動きから、それぞれが本来持っていた意味に限定されない動きになるようにする。カウント、動きがぶれないように細部を決める体の無意識の領域を意識のドットで穴埋めする様に、可能な限り細かな所まで意識する。体が次の動きに映る時、イメージを思い描き、「行くぞ、行くぞ、行くぞ」と自分に指令を出している自分の声が、徐々に小さくなっていき、消えた瞬間に動く。自分の体が客席からどのように見えるかをはっきり意識して動きを組み立て、またそれが自分の実感の善し悪しとは矛盾しない。

山賀 ざくろ|頭が空っぽで、子ども。小さなことに心を動かされる状態。独り言や鼻歌を動きでやってる。それらが途切れ途切れに、シフトチェンジ。ある程度夢中で楽しいが、ひとつの事に集中せず、意外なタイミングでコロコロ変わる。変わる瞬間が楽しい。自分の予想の範囲を超えた動きが出ると、どんどん楽しくなる。決める事=音楽、衣裳、立ち位置、移動する導線。衣裳によって自然にあるキャラクターになる。音楽がかかると、気持ちがそれに反応し、またそれに対して動きのタイミングを微妙にずらしたり、別のメロディーやリズムをセッションのようにのっけて楽しむ。

中村 公美|ただ立っている。ぼーっとしている→腰椎の二番あたりの骨の左側がポカンと空く。結果下腹が無防備な感じでどかんと前に出る。ある種の受信状態。あるいは耳を澄ます。入る=「体が勝手に動く状態。ある種の感情が、体を動かす状態、多少の恍惚状態になる」まで待つ。そのための方法の一つとして「素振り」をする。同じ動きを何度も繰り返し、気持ちが体を動かして行く状態になるまで続ける。音楽がかかると楽になる。感情に作用する。素振りは丁寧に渾身のひと振りが出るまでやる。心を込めてこれだ!というひと振りが出来れば、その時そこにいる人すべてが幸せになれる、くらいに思ってやる。

手塚 夏子|意識とからだの距離をかなり離す。意識を介さずに、からだの細部が他の細部と繋がる。意識を介さずに、からだと外界が何かの繋がりを持つ。そのような状態になったからだを、意識が観察する。意識と筋肉を繋げない。特に表面の筋肉を使わない。この場合、意識と言っているのは表層の意識と言い換えることができるか?他の人が私の手法を試すにあたって、意識と筋肉を繋げない為に、どんなことをしても良い。私が最初に試みたのは、からだの極小さな一部に意識を集中した。しかし、からだのどこにも力を入れないで立っていられるかを試したり、同じ動きをやり続けることでも、そうなる可能性高い。

第2期前半戦のレポートは、こちら
第1期後半戦のレポートは、こちら
第1期前半戦のレポートは、こちら

出演|黒沢美香 中村公美 捩子ぴじん 山賀ざくろ 手塚夏子
日時|1st session 2008年5月5日(月・祝) 17:00スタート
   2nd session 2008年5月6日(火・休) 13:00スタート
★JR藤野駅から会場までのバスは、ごく限られた時刻しか運行しておらず特に5日の1st session終了後にはJR藤野駅までのバスはありません。両日は、出演者との交流の時間もたくさんご用意しております。ぜひとも1泊2日でご覧になることを、強くオススメします。
★1st session終了後と2nd sessionの開始前に手塚夏子による「遊びながら体を観察する」ワークショップ開催。
5月5日 20:00〜21:30 5月6日 9:00〜10:30
会場篠原の里 (JR中央本線藤野駅からバスを乗り継ぎ約30分)
「篠原の里」は、廃校を活用したNPOが運営する宿泊研修施設です。
showingをご覧になる方のご宿泊は、下記の予約先にて代行します。
料金|2日間 1,500円・いずれか1日 1,000円
ワークショップ受講料 2,000円(手塚による身体の観察WSを予定)
料金に食事代、宿泊費、送迎費は含まれておりません。
交通|藤野駅(JR中央線)からバスを乗り継ぎ約30分
企画・問い合わせ|070-5550-9321(手塚)042-689-5593(大澤)
当日問合せ|篠原の里(会場)tel : 042-689-2051 ※チラシの電話番号間違ってました。こっちがあってます。すみません!

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