民俗芸能調査クラブ ショーイングNo2 実験して、接近する
2012年1月20日(金)21日(土)
森下スタジオ
小口美緒 若林里枝 オカザキ恭和 萩原雄太 坂本千代 大澤寅雄 手塚夏子
脈なのだ。芸能の流れというのは、近代化以前、脈々と世界に感じ方のメディアを提供していた。かつての芸能に従事していた者たちは、悲惨な餓えの中、疫病の悲劇のもと、人の営みの困窮も困難も悲劇も隅から隅までからだで受け止めて、その呻きも、懇願も、祈りも一滴残らず芸能というメディアに投入する力を持っていた。そのことで生きていた。
今は、自分が何を感じているのか良くわからないという時代かもしれない。だから何をしたいかも良くわからない。自分の中から→が動き出して、何かをしてしまう、というような動きの起点を失い続けている。人という人が少しずつ感覚麻痺していって何かを奪われ続けている。気がつくと、自分の足下に何があるのかも分からないような途方にくれたルーティーンの中にいる。
人が、自分を動かす力、世界に能動的に反応する力を取り戻したい。それらが生きていた頃の片鱗を観察したい。この調査はその思いで始まった。
そういった時代にどんなリアリティーや欲求があったのか、もはや分からない。その距離を縮めることは難しいのかもしれない。だけど、そこにある可能性に目を凝らし、その片鱗が放つ僅かな光に反応したい。
http://asiainteractiveresearch.blogspot.com/2012/01/vol4.html
文化庁委託事業 平成23年度 次代の文化を創造する 新進芸術家育成事業
助成 公益財団法人セゾン文化財団 アサヒビール芸術文化財団